中年になった自分に考えさせられる一冊。
メメント・モリという言葉がある。
死を記憶するということである。
(いつか)必ず死ぬ。
一般的に死を忘れるなと理解されるが、正確には記憶、記録するということである。
死は、残酷なまでに、或いは平等の象徴、救いとして、様々な捉え方がある。
メメント・モリ。
そんな理、命名に相応しい一冊。
※流通ジャーナリスト、金子哲雄:一般的に家電ジャーナリストとしてテレビに出ていました。
40代で死ぬということがどういうことか、妻に何を残せるのか、気持ちにどんな変化が起きるのか・・・
金子さんはそれらを書き残したいと言いました。
本書は、明日、命が絶えるかもしれない日々の中で、金子さんが命を振り絞るように綴った最後の著書です。
2012年10月、「肺カルチノイド」という急性の難病により、
41才という若さで急逝した流通ジャーナリスト、金子哲雄さん。
死期を悟った金子さんは、会葬礼状まで生前に用意して、自分の葬儀を自分でプロデュース、
自らの死をも「流通ジャーナリスト」としての情報発信の場にしたのでした。
まさに、みごとというほかないその最期・・・。
しかし、彼が「余命0」宣告を受け入れて死の準備を整えるまでには、
乗り越えなければならない悲しみ、苦しみ、
そして何より、最愛の妻を残していくことへの葛藤がありました。
死の1か月前から、最後の力を振り絞って書き上げた本書には、
その一部始終が綴られています。